文字の大きさ
文字サイズ普通 文字サイズ中 文字サイズ大
サイト内検索

戦没者遺留品返還事業 愛知県と福岡県で日章旗返還

2020年02月27日

お知らせ, 日章旗等返還の取組み

本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還活動をしているOBONソサエティから本会に照会があった遺品について、愛知県と福岡県で遺族が判明し、遺族に返還された。

愛知県では、フィリピン・ルソン島で戦死した浦山隆三さんの日章旗が長男の隆光さんへ返還された。当初、秋田県遺族連合会の調査で隆三さんが仙北市の出身で、遺族が愛知県在住であることが分かり、愛知県遺族連合会が遺族を捜索し、一宮市に住んでいる隆光さんの所在を突きとめた。

9月18日、一宮市役所で返還式が行われ、中野正康市長から隆光さんと妻の和美さんに日章旗が引き渡された。隆光さんは「抱っこされたこともありませんが、やはり父はいたんだなあ。父も私に会いたかったのでないか」と述べた。

一宮市役所で、中野市長から日章旗を受け取る隆光さんと妻の和美さん
一宮市役所で、中野市長から日章旗を受け取る隆光さんと妻の和美さん

福岡県では、米ミシガン州のエリカ・カーメソールさんが元米兵の祖父から譲り受けた日章旗が、若松区遺族会の調査で、北九州市若松区出身の復員兵だった前田健一さん(享年85歳)のものであることが判明し、長男の俊朗さんに引き渡された。健一さんは南大東島で終戦を迎え、終戦後は生死も分からず家族とは音信不通であったが、昭和二十二年に引き揚げ船で無事故郷に帰還した。

日章旗を受け取った俊朗さんは、健一さんが戻ってきた当時のことを思い出し、「父も日章旗も戻ってきた自分はとても幸運。まだ遺骨すら戻ってこない人もおり、戦後は終わっていない」と話した。

 

遺留品返還事業 米国オレゴン州を訪問 OBONソサエティと委託契約締結

2019年10月23日

日章旗等返還の取組み

平成30年度から始まった「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業は、本年度も厚生労働省から本会に事業が委託された。それに伴い本事業の協力団体であるOBONソサエティに業務の一部を再委託する委託契約を締結するために、8月27日から31日の期間で水落敏栄会長(他事務局一人)はアメリカのオレゴン州を訪問した。

8月27日にオレゴン州ポートランドに到着した一行は、在ポートランド領事事務所・寺岡敬総領事を表敬訪問し、OBONソサエティ共同代表レックス、敬子ジーク夫妻が同席して、本会とOBONソサエティとの協力体制等について説明した。その後、OBONソサエティを支援している有識者との会合に出席し、水落会長が日頃の支援に謝意を述べるとともに、「遺骨はおろか、遺品すら還ってきていない戦没者遺族にとって、日章旗はまさに愛しい肉親を偲ぶ遺骨にも違わない大切なものであります。高齢化する遺族へ速やかに遺品等を返還するためには、OBONソサエティのご協力なくしては成り立ちません。」と挨拶した。

28日、OBONソサエティの法的アドバイザーと再委託に関する契約書について協議し、お互いに契約内容に問題がないことを確認した。一行はアストリアに移動し、コロンビア川海洋博物館でOBONソサエティが監修した日章旗返還に関する常設展示コーナーを視察し、博物館館長から、今後展示内容の拡充が予定されていることを知らされた。

翌日29日は、アストリア市内にOBONソサエティが借りているアーカイブセンター(記録保管所)で、OBONソサエティの理事が立ち会い、本年度の再委託契約書に水落会長、OBONソサエティ共同代表がそれぞれ契約書に署名し、委託契約が締結した。また、水落会長は地元新聞社の取材を受け、OBONソサエティの活動に対する賛同者から寄付が集まるよう紙面で紹介することを記者に依頼した。

今回再委託契約が締結したことにより、OBONソサエティの活動がさらに充実し、戦没者遺族への遺留品返還がより加速することが期待される。

再委託契約を締結し、握手を交わす水落会長とジーク共同代表。右は敬子氏

再委託契約を締結し、握手を交わす水落会長とジーク共同代表。右は敬子氏

遺留品返還事業 香川県、秋田県で日章旗返還

2019年10月23日

日章旗等返還の取組み

本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった日章旗について、香川県と秋田県で遺族が判明した。

香川県では、テニアン島で戦死した、観音寺市出身の大西清高さんの日章旗が香川県遺族連合会、観音寺市遺族連合会の捜索で遺族を特定し、大西さんの実弟の妻、大西千代子さんに返還されることになり、6月29日、同市立中央図書館での役員合同研修会で返還式が行われ、千代子さんに日章旗が真鍋賢二香川県遺族連合会会長から引き渡された。受け取った千代子さんは、「顔も知らなかったが、ようやく兄に会えた気持ちになれた」と涙ながらに語った。

真鍋賢二会長(左端)より日章旗を受け取り喜びを語る大西さん(中央)

真鍋賢二会長(左端)より日章旗を受け取り喜びを語る大西さん(中央)

秋田県では、フィリピン・レイテ島で戦死した鹿角市出身の田嶋三藏さんの日章旗が、甥の田島孝市さんに返還された。7月5日に鹿角市役所で返還式が行われ、参列した遺族らが見守る中、遺族代表に引き渡された。孝市さんは「米国で大事に保管され、ありがたい。ずっと供養を続けたい」と感謝を込めて語った。

日章旗は、元米兵の父親が戦地から持ち帰ったものをピート・ゴーバーさん(テキサス州在住)が譲り受け、OBONソサエティを通じて、遺族への返還を希望していた。

戦没者遺留品返還事業 和歌山県で日章旗返還

2019年10月23日

日章旗等返還の取組み

本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった日章旗について、和歌山県で遺族が判明した。

日章旗は、ブーゲンビル島で戦死した、みなべ町出身の小谷幸一さんのもので、和歌山県遺族連合会の杉本正博会長が、地元であるみなべ町で遺族を特定し、返還されることとなった。

5月30日、みなべ町役場で返還式が行われ、姪の小谷一美さんに日章旗が引き渡された。受け取った一美さんは、「(叔父の)ふるさとに戻ってきたい思いが通じたのだと思います」と語った。また、杉本会長は「戦争は二度としてはいけないということを、多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と平和を願う気持ちを述べた。

遺留品返還事業 OBONソサエティ活動10年目を迎える

2019年06月19日

日章旗等返還の取組み

戦没者の遺留品返還活動を行っているオレゴン州アストリアのNPO団体OBONソサエティが本年5月で活動10年目を迎えた。

OBONソサエティの代表レックス&敬子・ジーク夫妻は、平成21年にアメリカのオークションサイトで売買されていた寄せ書き日の丸等の遺留品を集め、戦没者の遺族への返還活動を開始した。戦後七十年の年には、米退役軍人とともに安部総理に直接面会し遺留品を返還しており、こうした取り組みに対し外務大臣から感謝状が授与されている。

OBONソサエティは返還を希望する退役軍人及びその家族から遺留品を引き取り、持ち主遺族等の捜索活動を続けており、本会は平成25年から同活動に協力し、既に本会を通じて二百件以上の遺留品が遺族へ返還されている。

そして平成30年度には、OBONソサエティの活動に共鳴し、本会が要望した「戦没者遺留品の返還に伴う調査事業」が政府予算に計上され、厚生労働省から本会に事業が委託された。また、本年度も本事業が本会へ委託されることが決まっている。

これまで数多くの日章旗等を遺族の元へ届けてきたOBONソサエティの活動は本事業にとって不可欠であり、本会は引き続き同団体と連携を密にして、支部遺族会の協力を得て、一つでも多くの遺留品が遺族へ返還されるよう事業を推進していく。

米国内外から届く遺留品を郵便局で受け取るジーク夫妻 =オレゴン州アストリアで

米国内外から届く遺留品を郵便局で受け取るジーク夫妻
=オレゴン州アストリアで

 

ページの先頭へ戻る