日本遺族会は、本会主催の沖縄戦跡慰霊巡拝の実施を予定している。この慰霊巡拝は、太平洋戦争の末期、住民を巻き込んだ激しい地上戦の戦場となり、多くの尊い命が失われた沖縄の地を巡り、戦没者の冥福と恒久平和を祈念することを目的としている。沖縄及び周辺海域で肉親を亡くされた戦没者の遺族であればどなたでも参加できる。
募集要項は次のとおり
▼実施時期 10月23日(火)~10月27日(土)の4泊5日を予定
※参加者は、本会が指定した沖縄のホテルに集合し、事業終了後、沖縄で解散となる。
▼募集人員 40人(予定)
※募集人員を上回った場合は選考となる。
▼参加資格 沖縄及び周辺海域で肉親を亡くされた戦没者の遺族(妻、遺児、孫、兄弟・姉妹、甥・姪等)
※原則として、長途の移動及び気候・風土の異なる地での旅行に耐えられる健康状態が良好な方に限るので、心配な方は申込みの際に事前に申告願いたい。
▼参加費用 7万円~8万円程度
※参加人数により費用は異なる。また、集合場所の沖縄までの往復交通費等は別途個人負担となる。
▼申込締切 8月31日(金)
▼申込方法 申込は在住する各都道府県遺族会の事務局へ。
※参加人数が募集人数を大幅に下回った場合は、中止となるので、予めご了承願いたい。
平成30年度慰霊友好親善事業の募集要項は次のとおり
▼時期及び地域 実施概要参照
▼参加費 10万円
▼参加資格 戦没者の遺児。平成29年度参加者を除き、複数回の応募が出来る。
▼その他 集合場所は、東京等に集合し、結団式及び渡航に係る説明会を行う。なお、集合場所まで及び解散場所からの交通機関はご自身の手配となる。
また、移動に係る国内交通費及び帰国時の宿泊代、渡航手続手数料等は個人負担となる。
▼申込方法 在住する各都道府県遺族会事務局へ。
参加者の資格審査に当たり、申込書の記入項目の全てに記入を要するので、事前に申込用紙を取り寄せていただき、記入項目に不明な点(戦没者の部隊名等)があれば各遺族会に相談し条件を満たしたうえで提出願いたい。なお、申込多数の場合は選考となる。
また、巡拝地域や実施時期等は、相手国や交通機関等の事情で変更、延期または中止となる場合があるので、予めご了承願いたい。
平成30年度政府予算案は、12月22日午前の閣議で決定した。本会関係では公務扶助料、遺族年金等の据え置きをはじめ、遺骨収集事業関係費、戦没者遺児による慰霊友好親善事業の実施等その他の処遇改善項目に係る予算も概ね概算要求通りに計上された。また新たに、遺留品調査の迅速化に係る経費が新規に認められた。
日本遺族会では、六月二十三日に沖縄県遺族連合会と共催で「第五十七回沖縄平和祈願慰霊大行進」を実施する。この事業は、先の大戦で、一般住民を含む多くの尊い命が失われた沖縄戦を振り返り、砲弾降りしきる中、苦難の撤退を余儀なくされた戦没者が辿った道程を行進し、平和を祈願するものである。全戦域の戦没者遺族が参加可能であり、家族での参加も歓迎する。特に孫・ひ孫等の若い世代が多く参加され、戦争の悲惨さ、平和の尊さを学び、語り継ぐ機会としてもらいたい。参加募集要項は以下のとおり。
募集要項
▼期間 6月22日(金)~24日(日)2泊3日
▼費用 約3万5千円程度
※費用には宿泊代、食事代、バス借上げ代、添乗員費用、懇談会費用等が含まれる。
※参加人数により費用が異なります。また、自宅から沖縄の往復交通費、那覇空港から集合場所となる那覇市内のホテルまでの往復交通費は
個人負担となりますので、各自お手配ください。
▼宿泊 パシフィックホテル沖縄
▼申込先 在住する各都道府県遺族会事務局へ
▼申込締切 5月11日(金)
なお、行進する道程は、糸満から摩文仁までの約8.5キロとなります。
本会主催によるマリアナ諸島戦跡慰霊巡拝団は11月27日から12月1日までの五日間、戦没者の遺児とその配偶者、甥、孫、姪の六人が参加し、グアム島、テニアン島、サイパン島の各戦域を巡り、縁の地で祭壇を設え、故郷から持参した懐かしい品々を供えて慰霊祭を執り行い、亡き肉親に涙ながらに語りかけ、冥福を祈った。
マリアナ諸島戦跡慰霊巡拝団(団長・盛川英治事務局次長)の参加者は11月27日、成田空港に集合し、同夜、グアム島に向け出発、28日未明に到着した。
28日、グアム島中部の旧本田台(現ミッションヒル)に到着。旧明石(現アガナ)湾を望む高台において、戦没者の子が母の苦労を語り、甥は、遠くフィリピンに眠る伯父に追悼を述べた。その後、ジーゴに向かい、グアム平和慰霊公苑を訪れ拝礼した。同日、夕闇迫るサイパン島に到着。
29日、サイパン空港から2機の小型機に乗り、テニアン島に到着。島南端の56警備隊慰霊碑において、戦没者の子とその妻が、亡き父に近況を報告した。慰霊祭終了後島内を巡るとともに、ガイドの方から、テニアン島内に眠る遺骨の調査が現在進められ、先日、多くの遺骨が見つかったと聞かされる。
サイパン島に戻り、空港周辺を守備していた部隊が島の南端に追い詰められたナフタン山を望む海岸において、戦没者の孫が、「後世に事実を正しく伝え、風化させないこともこの慰霊の深い意味だと認識した」と語った。
30日、サイパン神社にて戦没者の姪が亡き伯父に「いつか慰霊の旅に来たかった。今回その願いが叶った」と話された。その後、タポッチョ山、婦女子等が身を投じたスーサイドクリフ、12年前に天皇皇后両陛下が御拝礼されたバンザイクリフ等、戦跡を巡った。同日、スコールが止むのを待ってから、中部太平洋戦没者の碑前において、合同追悼式を挙行した。