日本遺族会が厚生労働省から委託を受け実施している海外民間建立慰霊碑移設等事業で、11月9日から16日の期間で、ミャンマーに事務局2人を派遣し、厚生労働省が、管理状況等が不良であると判定した民間団体等が建立した慰霊碑を調査した。
派遣団は初めに、戦友会(烈一二四部隊)がマンダレー管区に4基、サガイン管区に2基、村に水道施設として井戸を寄贈した際に建立した慰霊碑の管理状況を調査した結果、内4基は井戸も使用されておらず、慰霊碑は放置状態であったため、地権者等と相談し、埋設等の対象とすることとした。
また、サガイン管区モニワ市のモニワ日本人墓地跡に建立された慰霊碑群を調査したところ、周辺がゴミの集積場になっており、常に生ごみ臭がする劣悪な環境にあるため、今後ミャンマー中央政府の許可を得て、サガイン管区行政府、モニワ市役所等と慎重に協議し、移設又は埋設を検討する予定である。
日本遺族会が厚生労働省から委託を受け、日本政府がロシア連邦サハリン州スミルヌイフ地区ポペジノに建立した「樺太・千島戦没者慰霊碑」の維持管理状況を調査するため、8月20日から24日までの五日間、水落敏栄本会会長、他事務局職員1人を派遣した。
一行は8月20日、成田空港からユジノサハリンスクに到着。翌21日、小西克己在ユジノサハリンスク日本国総領館副領事の同行を得て慰霊碑調査に向かった。
22日、慰霊碑の維持管理を担うスミルヌイフ市役所を表敬、ベロババ市長らと慰霊碑維持管理について意見交換した。その後、ポペジノ村にある慰霊碑に向かい調査を実施。毎年積雪の影響を受け慰霊碑の床面が傷んでいたが、今年は事前にペンキが塗られ、概ね良好と判断した。午後には、ベロババ市長らに調査結果を報告し、今後の慰霊碑の維持管理を要請した。
ユジノサハリンスクに戻った調査団は23日午後、サハリン州政府文化局を訪ね、平野隆一在ユジノサハリンスク日本国総領事同席のもと、ニコリナ文化・公文書副大臣らと会談を行なった。水落会長から「今後も慰霊碑の管理や、戦没日本人の遺骨の収集にサハリン州政府の支援願いたい」と要請した。
同夜には、樺太・千島戦没者慰霊碑を建設する際、当時、現地政府の窓口となったベラノーソフ元州副知事、ドロフスカヤ元観光局長を招いて、今後も慰霊碑の維持管理、遺骨収集促進に向けサハリン州政府への助言等依頼した。
日本遺族会が厚生労働省から委託を受け実施している海外民間建立慰霊碑移設等事業で、ロシア連邦、カザフスタン共和国へそれぞれ2人を相次いで派遣した。
日本遺族会は、厚生労働省の委託事業である海外民間建立慰霊碑移設等事業で、3月21日から29日の期間、フィリピンのルソン島へ二人を派遣し、厚生労働省が、管理状況が不良と判定した、特定の管理者がいない等の理由で放置され劣化している慰霊碑の埋設等を実施した。
派遣団は、カガヤン州ガタランの小学校敷地内で台座の上に倒れたまま放置されていた地蔵尊について、学校側と協議し台座の横に埋設することで合意した。また、ヌエバビスカヤ州アリタオの木製追悼碑とバターン州キナワン村の台座を地権者の同意書を取り付けたうえで埋設した。この他、ベンゲット州アトックとブラカン州イポダムの木製追悼碑が地権者により既に撤去されたいたことを確認した。
帰国前に、派遣団は今回の事業実施状況を在フィリピン日本国大使館に報告し、道路拡張等で今後撤去される可能性がある慰霊碑について現地行政機関等から大使館へ通達があった場合は、本事業で対応する旨を伝えた。
日本遺族会は、厚生労働省の委託事業である海外民間建立慰霊碑移設等事業で、3月21日から28日の期間、ロシアのイルクーツク州、ザバイカル地方、ハバロフスク地方に2人を派遣し、厚生労働省が指定した、特定の管理者がいないため放置され劣化している管理状況が不良と判定された慰霊碑の埋設等を行った。
派遣団は現地で作業員を雇い、イルクーツク州リストビアンカ日本人墓地で木製角塔婆1基を埋設したほか、ザバイカル地方ブカチャチャで木製角塔婆1基の埋設を試みたが地面が凍結して掘ることができなかったため、ブカチャチャ村の村長に塔婆を預け春になってから埋設するよう依頼した。また、ハバロフスクの日本人墓地では、昨年秋に、清掃活動の一環として在ハバロフスク日本国総領事館職員立ち合いの下、日本人会有志によって、対象だった木製角塔婆3基が埋設、2基が墓地内の適切な場所に移設されたことを確認した。