日本遺族会が実施の、戦没者遺児による慰霊友好親善事業では、令和3年度実施地域で一部地域の中止を決定した。新型コロナウイルス感染症の影響で、実施地域訪問国への入国及び日本帰国後の行動制限等も緩和されず、外務省渡航情報では渡航中止勧告が発出されている現状であり、未だ収束が見えず9地域が中止となった。
令和3年度実施地域で一部中止となった地域は以下の通り。
旧ソ連、旧満州、西部ニューギニア、ボルネオ・マレー半島、東部ニューギニア、ビスマーク諸島、中国、トラック諸島、ミャンマー・タイの9地域。
一般財団法人日本文化興隆財団が、硫黄島の戦没者遺族を対象とした、硫黄島訪島事業の参加者を募集していますのでご紹介いたします。
硫黄島訪島事業への参加申込についてはこちらをクリックしてください
問い合わせ先:公益財団法人日本文化興隆財団 電話03-5775-1145
※この事業は日本遺族会主催ではありませんので、詳しいお問い合わせは日本文化興隆財団へお願いいたします。
日本遺族会では、令和3年度戦没者遺骨収集事業への参加希望者の事前登録を行っている。
戦没者の遺児をはじめ孫、ひ孫、甥、姪等の青年部も広く登録願いたい。
申し込み登録要項は次のとおり。
▼実施予定地域
【南方及び北方地域等の遺骨収集】
①ミャンマー ②マリアナ諸島(グアム島・北マリアナ諸島) ③パラオ諸島 ④トラック諸島 ⑤マーシャル諸島 ⑥東部ニューギニア ⑦ビスマーク・ソロモン諸島(ブーゲンビル島・ガダルカナル島等) ⑧インド ⑨フィリピン ⑩インドネシア ⑪硫黄島 ⑫その他地域(モンゴル、樺太・千島等)
【旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集】
①ハバロフスク地方 ②イルクーツク州 ③カザフスタン
※硫黄島(国内)については、年度内4回の派遣を予定。
※海外については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現在渡航が制限されているため派遣は中止されている。日本戦没者遺骨収集推進協会は以下の3条件を満たしたうえで海外への派遣手続きを開始するとしている。
① 派遣相手国の入国制限・入国後の行動制限が解除されること
② 日本帰国後の日本国内での行動制限が解除されること
③ 外務省が発出している渡航制限レベルがレベル1以下となること
▼参加資格 ①原則年齢制限はなく、身体健康な者で、現地での収容作業等に従事できる者 ②各都道府県遺族会の会員である戦没者の遺児、孫、ひ孫、甥、姪で、身体健康な者 ③本会の協力団体関係者並びに、本会事業の推進に賛同いただける者
※派遣者は、健康診断書並びに宣誓書の提出が義務付けられており、参加の有無については、遺骨収集事業を主催する日本戦没者遺骨収集推進協会の判断に従う。
▼参加登録方法 参加登録にあたり申込用紙を取り寄せ、全ての項目に記入した上で、在住する各都道府県遺族会事務局に提出願いたい。
なお、参加希望者が推進協会から指定された定員を上回る場合は、選考となる。
キリバス共和国ギルバート諸島タラワ環礁で戦没され、身元を特定する遺留品がなかったがDNA鑑定で身元が判明した海軍二等機関兵曹、野村正敏さんの遺骨が2月26日、長崎市在住の遺族へ返還された。
厚生労働省は、米国のハワイにあるDPAA(米国国防総省捕虜・行方不明者調査局)から提供された、タラワ環礁で収容されたアジア人と見られる遺骨162柱の検体のDNA鑑定をおこなっており、昨年11月判明した2柱を受領し日本へと送還したが、その内の1柱が野村さんの遺骨だった。
野村さんは佐世保鎮守府第7特別陸戦隊に所属し、昭和19年11月25日に戦死されているが、弟の貞之さんとのDNA型照合で身元が特定され、出征して以来80年ぶりに遺族へと遺骨が引き渡された。
厚労省は、平成28年以降、沖縄県、硫黄島、キリバス共和国の三地域で「遺品の無い」遺骨の身元を特定する鑑定を進めており、これまでタラワの2柱と硫黄島の2柱の身元が判明している。
これらの成果を踏まえ厚労省は、遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定を、今後は地域を限定せずに公募により実施することとしている。
本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった日章旗が三重県、茨城県でそれぞれ遺族に返還された。