日本戦没者遺骨収集推進協会主催の東部ニューギニア戦没者遺骨収集帰還派遣に本会から4人を派遣し、パプアニューギニアの各地で遺骨の収容作業にあたり、112柱を日本へ送還した。この派遣は、本会が厚生労働省から委託され実施した海外未送還遺骨情報収集事業のオロ州、モロベ州、東セピック州での調査結果に基づくものである。
焼骨式で遺骨を荼毘に付す団員=2月19日、ウエワクで
日本遺族会は2月23日、第11回理事会を東京千代田区の千代田会館で開催した。英霊顕彰運動及び処遇改善運動の経過並びに今後の運動方法、平成28年度の本会諸会計予算の第二次補正について審議がなされ、何れも承認された。また、平成29年度の事業計画及び収支予算書についても承認された。
日本遺族会は、厚生労働省の委託事業である海外未送還遺骨情報収集事業の東部ニューギニア地域で、平成28年度第5次調査団2人をパプアニューギニア東モロベ州へ派遣し、1月14日から28日の期間、残存遺骨に関する調査を実施した。
首都ポートモレスビーを経由してモロベ州ラエに到着した調査団は航空機で北海岸のワスへ移動し、ワスからボートでナンバワリワ村を訪れた。村に民泊し、現地住民らへ聞き取りし、戦闘があった場所が日本兵の埋葬地となっているという証言に基づき試掘した結果、13柱を収容した。ナンバリワ村からさらにボートでシアルムへと向かい、シアルム、フィシュハーフェン周辺を車両で廻り、ワンドカイ村で一柱、ジベバネン村で多くの遺留品とともに8柱を収容した。
また、ヘリコプターをチャーターし、サラワケット山系のムバンジン、アベン、サカラン、ツウェップ、バワンを踏査し、住民に事業周知用のポスター及びパンフレットを配布して、情報提供を呼び掛けた。
今回受領した遺骨の総数は22柱で、ラエの一時保管場所に安置し、今後予定されている遺骨収集派遣団により日本へ帰還する。
現地住民の協力を得て埋葬地を試掘する=1月18日、ナンバリワ村で
日本戦没者遺骨収集推進協会主催の硫黄島戦没者遺骨収集派遣(第4回収容)に、1月17日から2月2日の期間で本会から七人を派遣し、硫黄島の壕等で収容作業に従事し、これまでに現地で収容、仮安置されていた遺骨も含めて17柱を内地へと奉還した。また。これに先駆けて地下壕等を調査する掘削調査立会の派遣も実施された。
遺骨を奉持し引渡式へと向かう団員=2月2日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で
平成29年度政府予算案は、12月22日午前の閣議で決定した。本会関係では、戦没者遺族の処遇改善に関する要望事項は、公務扶助料、遺族年金等の据え置きをはじめ、遺骨収集事業関係費の拡充強化、戦没者遺児による慰霊友好親善事業の実施等その他の処遇改善項目に係る予算も、概ね概算要求通りに計上された。
平成29年度政府予算における戦没者遺族処遇改善項目は以下のとおり。