日本遺族会は5月13日、全国の女性部幹部86人が東京の靖国会館に参集し「女性部結成65周年の集いを」開催した。靖国神社にて奉納式及び奉告参拝、靖国会館で研修会を開き、靖国神社山口宮司による記念講演といった記念行事を実施した。
本会女性部は昭和二29年に婦人部協議会として発足し、平成18年に戦没者の妻に女性の遺児を加え、名称を婦人部から女性部と改正し本年六十五周年の節目の年を迎えた。これを記念し「女性部結成65周年の集い」を開催した。
本会からは水落敏栄会長(参議院議員)、宇田川剱雄・市來健之助両副会長、畔上専務理事らが出席した。
午前11時、百田節子女性副部長の開会の辞で始まり、初めに水落会長が「時代は令和となり、私たち遺族会は後継者育成という大きな課題を抱えているが、世界の恒久平和を希求する活動を次世代に繋げるべく、青年部と共に活動していきましょう」と挨拶した。次に三浦妙子女性部長が「光輝ある遺族会の後継者として青年部が自立していくため、女性部の環境を整え、育成、指導、支援していくことが必要だ」と挨拶した。
午前11時30分、靖国神社参集殿にて、奉納式が行なわれ、三浦部長は玉串料を山口建史宮司に渡し、宮司から女性部に対し感謝状が贈呈された。続いて奉告参拝が行なわれ、参加者全員で本殿に進み玉串を奉奠した。
午後1時15分から、靖国神社山口建史宮司による「靖国神社の本質」を演題とした記念講演が行われ参加者は熱心に聞き入った。講演後、野間征子女性副部長の閉会の辞で終了した。
令和元年度(2019年度)政府予算は、3月27日の参議院本会議において成立した。本会が昨年12月、地元選出の自民党所属国会議員に対して行った陳情運動の結果、公務扶助料等の据え置きをはじめとする戦没者遺族の処遇改善や、遺骨収集事業関係費及び戦没者遺児による慰霊友好親善事業など概ね要望どおり予算化された。
本会関係では、昨年末の陳情運動を行った戦没者遺族の処遇改善項目に関する要望事項は、全国の遺族代表の熱心な運動を展開したことと、自民党所属国会議員の支援により概ね要望に沿った予算が得られた。
戦没者遺族の処遇改善では、恩給法関係における公務扶助料等は据え置きとなり、扶養加給も同額での支給が決まった。
遺骨収集事業等では、「硫黄島遺骨収集事業」に13億5900万円。「南方・旧ソ連地域遺骨収集事業」には7億5500万円(南方地域の遺骨調査に係る経費が3億100万円、遺骨収集費が3億2700万円等)、遺骨の鑑定費として1億9100万円等がついた。
戦没者慰霊事業等では、本会が厚生労働省から補助を受け実施している「戦没者遺児による慰霊友好親善事業」は、17地域に述べ900人を派遣する事業費として2億5900万円がついた。8月15日の「全国戦没者追悼式挙行経費」が1億5100万円(一県あたり国費参列者55人の2,585人。うち、少なくとも一人は18歳未満の遺族)がつけられた。
昭和館事業では、「昭和館の運営に係る経費」として4億8千万円がついた。
日本遺族会では、2019年度戦没者遺骨収集帰還事業への参加希望者の事前登録を行っている。戦没者の遺児をはじめ青年部(孫、曾孫等)の方にも広く登録願いたい。
申込登録要項は次のとおり
▼実施予定地域
【南方地域等での遺骨収集】
①フィリピン ②東部ニューギニア ③ビスマーク・ソロモン諸島(ブーゲンビル島・ガダルカナル島等)④インドネシア ⑤パラオ諸島 ⑥マリアナ諸島(グアム島・北マリアナ諸島)⑦トラック諸島 ⑧マーシャル諸島 ⑨ギルバート諸島 ⑩ミャンマー ⑪インド ⑫樺太 ⑬硫黄島
【旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集】
①ハバロフスク地方(第1次) ②イルクーツク州・ザバイカル地方 ③ハバロフスク地方(第2次) ④カザフスタン共和国
※相手国行政機関等との調整、現地の治安状況等の理由により事業が変更、中止となる場合がある。
▼実施時期
※南方地域等については、日本戦没者遺骨収集推進協会の事業実施計画が公表され次第、日本遺族通信、ホームページ等で掲載。
※フィリピン、インドネシア、ギルバート諸島については、厚生労働省が相手政府等と協議中のため、現時点では実施は未定。
▼参加資格 ①原則年齢制限はなく、身体健康な者で現地での収容作業等に従事できる者 ②各都道府県遺族会の会員である戦没者の遺児、孫、 ひ孫、甥、姪で、身体健康な者 ③本会の協力団体関係者並びに、本会事業の推進に賛同いただける者
※派遣者は健康診断書並びに宣誓書の提出が義務付けられており、参加の有無については、遺骨収集事業を主催する日本戦没者遺骨収集推進協会の判断に従う。
▼参加登録方法 在住する各都道府県遺族会事務局へ。
参加登録にあたり申込用紙を取り寄せ、全ての項目に記入したうえで、提出願いたい。
なお、参加希望者が推進協会から指定された定員を上回る場合は、選考となる。
▼参加費10万円
※東京等に集合し、結団式及び渡航に係る説明会を行う。なお、集合場所まで及び解散場所からの交通機関はご自身の手配となる。移動に係る国内交通費及び帰国時の宿泊代、渡航手続手数料等は個人負担となる。
▼参加資格 戦没者の遺児。平成30年度参加者を除き、複数回の応募が出来る。
▼申込方法 在住する各都道府県遺族会事務局へ。
参加者の資格審査に当たり、申込書の記入項目の全てに記入を要するので、事前に申込用紙を取り寄せていただき、記入項目に不明な点(戦没者の部隊名等)があれば各遺族会に相談し条件を満たしたうえで提出願いたい。なお、申込多数の場合は選考となる。
また、巡拝地域や実施時期等は、相手国や交通機関等の事情で変更、延期または中止となる場合があるので、予めご了承願いたい。
なお慰霊友好親善事業には、参加者の高齢化を考慮し、看護師が同行している。
日本遺族会では、毎年6月23日に沖縄県遺族連合会と共催で実施している「沖縄平和祈願慰霊大行進」が今年で58回目を迎え、参加者を募集している。この事業は、先の大戦で多くの尊い命が失われた沖縄戦を振り返り、砲弾降りしきる中、苦難の撤退を余儀なくされた戦没者が辿った道程を行進し、平和を祈願するものである。
全戦域の戦没者遺族が参加可能であり、家族での参加も歓迎する。特に孫・ひ孫等の青年部が多く参加され、戦争の悲惨さ、平和の尊さを学び、語り継ぐ機会としてもらいたい。
参加募集要項は以下のとおり。
募集要領
▼期間 6月22日(土)~24日(月)2泊3日
▼費用 約3万6千円程度。
※費用には宿泊代、食事代、バス借上げ代、添乗員費用、懇親会費用等が含まれる。
㊟参加人数により費用は異なります。また、自宅から沖縄の往復交費、那覇空港から那覇市内のホテルまでの往復交通費
は個人負担となりますので、各自お手配ください。
▼宿泊 パシフィックホテル沖縄
▼申込先 在住する各都道府県遺族会事務局へ
▼申込締切 5月10日(金)
なお、行進する道程は、糸満市役所から摩文仁までの約8.5キロとなります。