日本戦没者遺骨収集推進協会(JARRWC)主催による硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第3回)が11月17日から12月2日の期間で派遣され本会からは3人が参加協力し、硫黄島の壕等で収集作業に従事し、16柱を収容した。前回の派遣同様、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴うPCR検査を受けての全員が陰性反応となった結果を受けての派遣となった。
日本戦没者遺骨収集推進協会主催による硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第3回)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として過去2回の派遣とほぼ同様の措置をとった派遣となった。
派遣団は、18日早朝航空自衛隊機で入間基地入りし、今年1月から前回(8月及び9月)派遣の継続となる島北部の天山慰霊碑の下部付近の地表面や壕、為八海岸上部の地表面や豪等、重機を使用するなどしてご遺骨や遺留品を掘削しながら作業を進め、天山付近から柱と為八海岸付近から柱の計16柱を収容した。収容された16柱は硫黄島内の厚生労働省事務所棟に仮安置された。
また、第1回から今回の派遣で収容されたすべてのご遺骨は、年明け1月の第4回派遣で派遣団により奉還され、東京・千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われる遺骨引渡し式において、厚生労働省職員に引渡される予定である。
先の大戦の激戦地、硫黄島(東京都小笠原村)で10月24日、硫黄島の戦没者を慰霊し、日米の友好と恒久平和を祈念する、日米硫黄島戦没者合同慰霊追悼顕彰式が執り行われた。
式典では、旧日本軍を指揮した栗林忠道中将の孫で新藤義孝元総務相が「全員のご遺骨が故郷にお帰りいただけるよう活動を続けていく」と述べた。米側は「互いに尊重することで命を落とし、傷を負った人々に敬意を表す」と退役軍人代表ノーマン・スミス元海兵隊中将の手紙が読み上げられた。
本会からは、国会議員でつくる硫黄島問題懇話会相談役の水落敏栄本会会長が参列し、献花・献水を行い戦没者に鎮魂の祈りを捧げた。
また、日米合同の顕彰式に引き続き、日本側参列者は日本国政府が建立した天山の硫黄島戦没者の碑に場所を移し、日本側による硫黄島戦没者慰霊追悼顕彰式を執り行い、ご英霊に感謝の誠を捧げご冥福を祈った。
日本戦没者遺骨収集推進協会(JARRWC)主催による硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第2回派遣)が9月2日から10月7日の期間で派遣され本会からは3人が参加協力し、硫黄島の壕等で収集作業に従事し、十九柱を収容した。今回も新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴うPCR検査を受け陰性反応者の派遣となった。
派遣団は、23日早朝航空自衛隊機で入間基地入りし、今年1月から8月派遣の継続となる島北部の天山慰霊碑の下部付近の地表面や壕、為八海岸上部の地表面や豪等、重機を使用するなどしてご遺骨や遺留品を掘削しながら作業を進め、天山付近から16柱と為八海岸付近から3柱の計19柱を収容した。
収容された19柱は硫黄島内の厚生労働省事務所棟に仮安置された。
また、今回収容されたご遺骨は今後11月予定(第3回収集)と年明けの1月予定の(第4回収集)最終派遣時に東京・千鳥ヶ淵戦没者墓苑で遺骨引渡し式が行われ戦没者遺族多数参列のもと厚生労働省職員に引渡され同省霊安室に仮安置される。
先の大戦の激戦地として知られる小笠原諸島の硫黄島における米軍上陸時の日本軍の兵力は、小笠原集団長(栗林陸軍中将)をはじめ陸軍約1万3千5百人、海軍約7千7百人が配備していた。日本軍は、艦砲射撃や爆撃を避け、戦力を温存して長期にわたる困難な持久作戦を遂行するため、地形を利用して数百個の地下壕を構築、その延長は約18キロに達した。
昭和20年2月16日、米軍は硫黄島沖に集結した六艦隊による艦砲射撃やB‐29の大編隊による空爆を開始。その熾烈さは山容が改まるほどであった。2月19日、米軍は上陸用船艇約百三十隻で本島東南海岸に上陸を開始。小笠原集団は水際陣地部隊と砲兵火力をもって果敢な反撃を加えたが、優勢な米軍の火力に圧倒され死傷者は続出した。
3月17日決別電打電後、3月25日総攻撃、約1ヵ月間にわたる戦闘の末、日本軍約2万1千9百人が戦死、玉砕した。米軍も約6千8百人が戦死した。
日本戦没者遺骨収集推進協会(JARRWC)主催による硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第1回派遣)が7月29日から8月12日の期間で派遣され本会からは二人が参加協力を行い、硫黄島の壕等で収集作業に従事し、11柱を収容した。今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴うPCR検査を受け陰性反応者の派遣となった。
日本戦没者遺骨収集推進協会主催による硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第1回)は、新型コロナウイルス感染者が減少傾向に向かっていたため当初本会派遣者は6人を予定していた。しかしながら、感染者は7月に入り増加に転じてしまい過去最多を更新する状況となった。このため推進協会は派遣者の規模を1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)に縮小し、PCR検査を受けて陰性反応者のみとした。これにより本会からの派遣者は2人となった。
派遣団は、前回1月に派遣の継続となる島北部、漂流木海岸と外周道路外側との間にある壕や、地表面を掘削しながら作業を進め、9柱を収容した。
さらに、航空基地庁舎の近傍では、地底レーダー探査で反応があった地表面を掘り下げ、メタンガスが発生する中送風管で空気を送りながら作業を行い、地表面から5メートル下の地中で2柱を収容した。
今回収容された十一柱は、硫黄島内の厚生労働省事務所棟に仮安置された。
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、本年度の遺骨収集事業は、ほぼすべてに地域において派遣の目途がたっていなかったが、日本戦没者遺骨収集推進協会(推進協会)は、7月21日付で、当面の間海外における遺骨収集事業を中止することを、日本遺族会を含む各社員団体に通知した。