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遺骨収集帰還事業

遺骨収集事業 南方4地域で現地調査を実施

2019年10月23日

活動状況, 活動状況, 遺骨収集帰還事業, 遺骨帰還事業の取組み

日本遺族会は、日本戦没者遺骨収集推進協会が実施している、海外に未だ残されている遺骨に関する情報収集及び遺骨の収容等を行う現地調査に協力している。今回、東部ニューギニア、マリアナ諸島、パラオ諸島、ソロモン諸島の各地域の派遣に対し本会からも参加協力した。

東部ニューギニア

東部ニューギニア現地調査第2次派遣は、6月29日から7月13日の期間で、パプアニューギニア・東セピック州及びサンダウン州を調査した。

派遣団は、今回初めてサンダウン州アフア村から徒歩で坂東川流域を踏査し、日本軍野営所跡及び野戦病院跡の確認に努めた。また、東セピック州ワンバ村の墜落機場所及びマンデー村の埋葬地を調査したが、遺骨の発見にはいたらなかった。

マリアナ諸島

マリアナ諸島現地調査第2次派遣は、7月5日から16日の期間で、グアム島を調査した。

派遣団は、現地調査員から寄せられた情報を基に、ラフッニャ洞窟、ニミッツヒル等で遺骨情報地点の確認を行った。また、厚生労働省が現地考古学会社に依頼し、日本人戦没者と鑑定されたアガット、ニミッツヒル、マタパンビーチで収容された遺骨を受領し、日本へ送還した。

7月17日には、厚生労働省で拝礼式が執り行われ、本会を代表して畔上和男専務理事が祭壇に献花した。

パラオ諸島

パラオ諸島現地調査第二次派遣は、7月15日から25日の期間で、ペリリュー島を調査した。

派遣団は、第1派遣に継続して島内のブラッディ・ノーズ・リッジ(天山、中ノ台)、ホワイトビーチ等で残存遺骨の調査を行った。また、ペリリュー州政府に一時保管していた検体用未焼骨遺骨を受領し、日本へ送還した。

ソロモン諸島

ソロモン諸島現地調査第2次派遣は、7月20日から8月3日の期間で実施され、ガダルカナル島を調査した。

派遣団は2つの班に分かれ、第1次派遣の調査結果を基に、一班はタンボハ、ノーティ、カバリ周辺、2班はモカ、タレアイ、タンブレロ周辺を徒歩で踏査し、現地住民の協力を得て、埋葬場所等を試掘し、発見した遺骨の収容に努めた。

今回収容または受領した遺骨は推定101柱で、11月に予定されている収集派遣の実施まで、現地の一時保管場所に安置した。

カバリで派遣団が立ち会い現地住民協力のもと、埋葬されていた遺骨を収容

カバリで派遣団が立ち会い現地住民協力のもと、埋葬されていた遺骨を収容

 

遺骨収集事業 マリアナ諸島応急派遣・南方4地域現地調査を実施

2019年10月23日

活動状況, 遺骨収集帰還事業

 

マリアナ諸島応急派

日本戦没者遺骨収集推進協会は、マリアナ諸島戦没者遺骨収集応急派遣を、5月13日から24日の期間で、サイパン島で実施し、本会からはサイパン島の戦没者遺族2人が参加協力した。

派遣団は、平成29年度及び30年度の現地調査で、サイパン島、テニアン島で収容し、北マリアナ諸島歴史保存局に保管していた遺骨を確認し、焼骨のために遺骨に付着している土砂を除去する洗骨作業に従事した。

5月20日には、バナデル飛行場跡地で焼骨式並びに追悼式を挙行し、英霊の冥福を祈った。焼骨は二十日の午後から翌日まで夜通しで行われ、236柱の遺骨を奉持した派遣団は、23日無事帰国した。

翌24日、厚生労働省援護会議室で拝礼式が執り行われ、派遣団員、厚生労働省職員、関係団体代表が参列し、日本遺族会を代表して畔上和男専務理事が献花した。

南方4地域現地調査

日本遺族会は、日本戦没者遺骨収集推進協会(推進協会)が実施している、硫黄島における掘削調査及び海外に未だ残されている遺骨に関する情報収集を行う現地調査に協力している。今回、硫黄島、ソロモン諸島、パラオ諸島、東部ニューギニア、マリアナ諸島の各地域の派遣に対し本会からも参加協力した。

硫黄島

推進協会は、防衛省が実施した地中探査レーダーにより反応があった箇所のうち、庁舎地区の反応箇所を重機等による掘削調査の立会業務を行っており、本年度は6月から派遣が始まり3回実施され、本会からも各派遣に一人を参加協力した。

ソロモン諸島

ソロモン諸島現地調査第1次派遣は、5月18日から6月2日の期間で実施され、ガダルカナル島の丸山道を調査した。

派遣団は2つの班に分かれ、1班はタンブ―、タンボハ、シーホース周辺、2班はモカ、タレアイ周辺の第二師団転進経路(丸山道)を徒歩で踏査し、現地住民の協力を得て、埋葬場所等を試掘するとともに試掘箇所のマーキング及びGPS測位の面的調査を行った。

パラオ諸島

パラオ諸島現地調査第1次派遣は、5月26日から6月4日の期間で、ペリリュー島班、アンガウル島班に分かれ調査した。

ペリリュー島班は、オレンジビーチ、ワイルドキャットボウル、ゲドブス島で遺骨の捜索にあたった。アンガウル島班は、昨年度に引き続き、考古学専門員の指導に従い、

サイパン日本人墓地の試掘作業に従事した。

東部ニューギニア

東部ニューギニア現地調査第1次派遣は、六月一日から十四日の期間で、パプアニューギニア・モロベ州を調査した。

派遣団はヘリコプターをチャーターしサラワケット山系ダオットを訪問し、現地住民に遺骨情報の提供を呼びかけた。また、ワス周辺では複数の埋葬場所を確認し、ナンバリワでは村に民泊して、過去に住民が遺骨を収容した野戦病院跡地等をボートで踏査した。

 

遺骨収集派遣 トラック諸島、樺太・占守島を実施

2019年02月04日

活動状況, 遺骨収集帰還事業

厚生労働省で拝礼式挙行

日本戦没者遺骨収集進協会は、トラック諸島戦没者遺骨収集応急派遣、樺太・占守島戦没者遺骨収集派遣を実施し、本会からはトラック諸島に1人、樺太・占守島には2人が派遣協力した。派遣団が現地で収容した遺骨は日本へと奉還され、厚生労働省援護会議室でそれぞれ拝礼式が執り行われ、水落敏栄本会会長が参列し祭壇に献花した。

拝礼式で献花する水落敏栄会長

拝礼式で献花する水落敏栄会長

トラック諸島

トラック諸島戦没者遺骨収集応急派遣団は、ミクロネシア連邦チューク州モエン島西南西沖で沈没した神国丸から発見された遺骨を収容することを目的とし、十月三十日から十一月八日の期間で任務にあたった。

派遣団は、在ミクロネシア日本国大使館、ミクロネシア連邦外務省、チューク州政府等の関係機関と協議し、事業への理解と協力を求めた。

11月3日、神国丸沈没現場で遺骨の確認をするため、現地ダイバー二人が潜水し、船尾エンジンルームを中心に捜索して2箇所で遺骨を発見し、翌4日は、発見した遺骨を収容するために再度潜水し、遺骨三柱を収容した。

 

現地ダイバーが収容した遺骨を確認する団員

現地ダイバーが収容した遺骨を確認する団員

7日、派遣団は、収容した遺骨をDNA鑑定のため未焼骨のまま送還し、成田空港で厚生労働省へと引き渡した。

樺太・占守島

樺太・占守島戦没者遺骨収集派遣団は、11月13日から11月22日の期間で、ロシア連邦サハリン州スミルヌイフ地区において、現地関係団体が発掘した遺骨を受領に努めた。

派遣団は、11月16日、ピオネール基金がスミルヌイフ地区で発掘した遺骨2柱について、遺骨鑑定人が日本戦没者の遺骨であることを確認し、受領した。また、当初受領予定であったロシア調査運動が占守島で発掘した遺骨4柱は、遺骨を輸送する船が故障したため、焼骨にまにあわず、今回は受領できなかった。

18日、受領した遺骨を焼骨し、追悼式を挙行した派遣団は、21日、遺骨を奉持して帰国し、成田空港で厚生労働省へ引き渡した。

 

スミルヌイフで挙行された追悼式で、追悼文を読み上げる団員

スミルヌイフで挙行された追悼式で、追悼文を読み上げる団員

フィリピン地域で遺骨収集事業が再開

2018年05月22日

お知らせ, 事業の取組み, 活動状況, 遺骨収集帰還事業

平成22年10月以降、中断していたフィリピン地域での遺骨調査・収集事業がようやく再開される運びとなった。

当時、厚生労働省がNPO団体に委託した「海外未送還遺骨情報収集事業」に基づき収容した旧日本兵の遺骨に、フィリピン人の遺骨も含まれているのではないかとの指摘を受け、事業が中断された。その後、事実関係を含め検証が行われ、検証の結果、これまで帰還した遺骨にフィリピン人のものが混入している事実は認められなかった。しかし、フィリピン側に、フィリピンにおける海外未送還遺骨情報収集事業の収容作業に疑念を抱かせたことから、日本とフィリピン政府との間で事業の見直し作業が進められていた。

本会では、フィリピン地域への遺骨収集事業再開に向け会を挙げ国、厚生労働省に対し遺骨収集等の再開を強く働きかけていたが、なかなか作業は進まなかった。

事態打開に動いたのは昨年11月、フィリピンで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力)の会議に出席した安倍晋三内閣総理大臣が、フィリピンのドゥテルテ大統領に対し直接、フィリピンでの遺骨収集事業の再開を申し入れたことより、フィリピン政府が重い腰をあげ、一気に事が解決した。

日本とフィリピン政府との間で「遺骨収集に係る協力覚書」の署名式は5月8日に行われた。

今後、覚書に基づき、フィリピンでの遺骨調査・収集事業が促進される事が期待される。

遺骨収集派遣 パラオ諸島、ミャンマー、ビスマーク諸島(ブーゲンビル島)を実施

2018年04月18日

事業の取組み, 事業の取組み, 活動状況, 活動状況, 遺骨収集帰還事業, 遺骨帰還事業の取組み

日本戦没者遺骨収集推進協会主催でパラオ諸島、ミャンマー、ビスマーク諸島への戦没者遺骨収集団が相次いで派遣され、本会からもそれぞれの派遣団に遺族が参加協力し、各地域で収容作業に従事した。所期の目的を終えて帰国した派遣団は、千鳥ヶ淵戦没者墓苑での引渡式で、関係遺族が見守る中、厚生労働省へと遺骨を引き渡した。

パラオ諸島

  パラオ諸島戦没者遺骨収集団は、2月24日から3月8日の期間で実施され、本会からは2人を派遣した。

派遣団はペリリュー島の中央高地(ブラディノーズリッジ/ウルムブロゴル山)、北部高地(水戸山・ヒル・ロー/アミアンガル山)、ホワイトビーチ周辺等の地表及び洞窟内を調査し、遺骨の発見に努めた。また、平成29年度現地調査派遣で既に収容されペリリュー州政府に預けていた未鑑定の遺骨を含め、日本から同行した慰霊事業人類学専門員が鑑定し、79柱を確認した。

3月5日、派遣団はペリリュー島内の「みたまの塔」において、焼骨式並びに追悼式を執り行い、戦没者の冥福を祈った。

ペリリュー島での遺骨捜索活動DSCN1362

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ミャンマー

ミャンマー戦没者遺骨収集団は、3月7日から22日の期間で実施され、本会から4人を派遣した。

派遣団は二つの班に分かれて行動し、一班はサガイン管区カレミョー地区及びカレワ地区で収容作業に従事し、カレワ地区タジー村で1柱を収容し、既に過去の現地調査で収容されていた遺骨を合わせて12柱を確認した。二班は、シャン州ペコン地区で、地元住民が戦死した日本兵を洞窟に処分をしたという証言に基づき、洞窟内から約40柱を収容したが、現地住民の遺骨が二柱混在していることが判明したため、今回は遺骨を持ち帰ることを断念し、洞窟近くに保管場所を設置し安置した。

3月20日、ヤンゴンで合流した両班は、北オカラッパ日本人墓地の「ビルマ平和記念碑」前にて追悼式を挙行した。

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ビスマーク諸島

ビスマーク諸島戦没者遺骨収集団は、3月7日から22日の期間で実施され、本会から4人を派遣した。

派遣団は、二つの班に分かれ行動し、一班は車両でアラワ、ブイン方面に入り、アラワ地区のコグアン村で2柱、マライ村で1柱を収容したが、ブイン地区では予定した場所での地権者からの許可が得られず今回は試掘を断念した。二班はボートでタロキナ地区に入り、現地住民の協力を得て、136柱を収容した。

ブカ島で合流した両班は、過去の現地調査で既に収容され安置されていた遺骨を含めて315柱をソファノ島で焼骨した。また、3月19日、追悼式を挙行し、英霊に哀悼の誠を捧げた。

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