トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 大分県で日章旗返還 77年振りに遺族のもとへ
本会が厚生労働省から委託を受け実施している「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、OBONソサエティから本会に照会があった日章旗について、大分県で遺族が判明し返還された。
日章旗は、大分県速見郡日出町(旧藤原村)出身で、昭和20年7月1日に沖縄で戦死した後藤今朝治(けさじ)さんのもので、カリフォルニア州在住のリンダ・ハーンさんが元米兵の父親から譲り受け大切に保管していた。
今回大分県遺族会連合会、日出町藤原遺族会の捜索により遺族の所在が分かり、1月16日、大分県護国神社で返還式が行われた。返還式では、遺族を代表して孫の後藤辰徳さんが日章旗を受け取った。辰徳さんは「祖父にとって何よりの供養。平和や反戦の思いを新たにした」と話した。
式に出席した大分県遺族会連合会の末光秀夫会長(本会理事)は「家族に会いたい一心で、旗は帰って来たのではないか。平和の尊さを次世代に引き継いでいくことの大切さを再認識した」と述べた。
また、日章旗と一緒に届いたリンダさんから遺族に宛てたメッセージには、「この旗があなた方を少しでもお慰めできますよう望んでいます。旗があなた方のもとへ帰っていくことは、私の慰めにもなります」と綴られていた。