トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 北海道で日記と日章旗が遺族へ返還
本会が厚生労働省から委託を受け実施している「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、OBONソサエティから本会に照会があった遺留品2件(日記と日章旗)について、北海道斜里町出身の日本兵のものであることが分かり、北海道連合遺族会、斜里町遺族会の捜索でそれぞれ遺族の所在が判明した。
1月9日にOBONソサエティのボランティアスタッフ工藤公督さん(札幌在住)がアメリカから送られてきた遺留品を遺族の元へそれぞれ届け、直接手渡した。
日記は、昭和19年6月25日、西部ニューギニアのサルミで戦死した加納清吉さんが戦地で携えていたもの。加納さんは戦時中、斜里町の三井農林で働いていたが、召集されニューギニアへ出征した。日記には、北海道から横須賀、横須賀から船でパラオ、そして東部ニューギニアのウエワクに上陸してからの生活が綴られている。
日記を受け取った加納さんの甥の土橋逸男さんは「叔父さんのことは全く知らずにいました。このように返還を受けられてうれしい」と話した。
また、日章旗は、昭和14年に海軍に入隊し、昭和19年2月6日、南洋群島で戦没した大口勝安さんのもので、大口さんの実の妹である玉田光子さんと甥の大口保明さんが受け取った。
返還に立ち会った親族からは「こんなにお兄ちゃんを思っていたみっちゃん(光子さん)がいたから帰って来れたんだね」と、そして、光子さんも「初めて兄と言える日章旗に触れられて、長年の想いが叶った思いです。ありがとうございます。なんだか肩の荷が下りたというかとても嬉しいです。」と涙を流した。