コロナ禍で、海外への遺骨収集派遣はほぼすべて中断されている中、日本戦没者遺骨収集推進協会は厚生労働省と協議し、感染症危険情報レベルが下がり渡航が可能となった北マリアナ諸島への派遣を模索していたが、相手側政府から調査を許可されたため、2月8日から24日の期間でマリアナ諸島現地調査を実施した。
日本戦没者遺骨収集推進協会(推進協会)は、令和3年度マリアナ諸島現地調査(第1次派遣)をテニアン島へ派遣し、本会からは遺族1人が参加協力した。海外への派遣は約2年振りとなった。
今回の派遣では、派遣団員は自治体が発行したワクチン接種証明書を携行し、出発前の成田空港、入国時のサイパン島でそれぞれPCR検査を受け、感染防止対策を徹底したうえで、慎重に実施された。
団員全員の陰性が判明し、2月10日には、在サイパン領事事務所、北マリアナ諸島歴史保存局(HPO)、考古学会社等と今後の現地での遺骨調査及び収容方法等について協議した。
2月11日からテニアン島へ移動し、これまでに現地調査員等が発見した遺骨について、HPOへの提出レポートを作成するため、考古学会社が同行し、サンタローデス、カスティズ、カロリナス、南マサログ等で発見場所情報を詳細に記録した。
推進協会が雇い上げた遺骨鑑定人は発見済みの遺骨の最小個体数を89柱と判定、すべて収容してサイパンのHPOに安置した。今回確認したご遺骨のうち、遺留品から個人確定の可能性のある一柱についてはDNA鑑定のため検体を採取した。
すべての任務を終了し2月24日に帰国した派遣団員は、検疫所長が指定する宿泊施設に3日間滞在した後、それぞれの自宅でさらに4日間の行動制限措置がとられたが、全員感染症状はなかった。
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