トップ » 遺児巡拝 参加者募集 » 戦没者等の遺留品返還事業 秋田県で日章旗が遺族のもとへ
本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった日章旗が秋田県で遺族に返還された。
日章旗は、米国テネシー州のテネシー大学にあるマクラング自然史文化博物館で保管されていたもので、秋田県遺族連合会が調査した結果、昭和20年にフィリピンのルソン島で戦死した鹿角市出身の成田勇四郎さんのものと判明した。
この日章旗は、戦時中にルソン島のバタンガス州で米国陸軍第6軍のワイリー・C・スミス大尉が入手し、1945年5月2日にテネシー大学へ寄贈された。今回、OBONソサエティの取り組みを知った大学側が遺族への返還を希望し、76年の歳月を経て遺族の元へ届けられた。
6月10日に、鹿角市十和田市民センターで返還式が行われ、鹿角市遺族連合会の大里亜樹男会長から、勇四郎さんの甥の妻・成田勝代さんと姪の杉本正子さんに引き渡された。日章旗には、テネシー大学から遺族に対し、「大切な人を失うのは、いつの時代にも辛いものです。この寄せ書き日の丸返還が、成田様のご親族の皆様の悲しみを和らげるものになるよう願っています」と書かれた手紙が大学の記念品とともに添えられていた。