トップ » 日章旗等返還の取組み » 遺留品返還事業 長崎県で兵士の肖像写真が返還
本会が厚生労働省から委託を受け、「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、佐賀県遺族会から捜索を依頼された海軍兵士の肖像写真が、長崎県で遺族が判明し返還された。
長崎県では、肖像写真がグアム島で戦死した長崎市出身の間瀬仙太郎さんであると判明した。
今回の調査では、長崎県連合遺族会会長の山下裕子会長が遺族捜しに奔走。山下会長の父茂樹氏は佐世保海兵団で砲術を指導する教班長だった。山下さん宅にある父の教え子の写真が構図的に間瀬さんと同じ写真館で撮影されたものとみられ、親近感を覚えたという。遺族捜しの際、手掛かりは間瀬さんの本籍が本大工町(現・魚の町)で、あとは写真の裏に記された南山手町の住所、父親の名前だけであったが、「寺町付近に間瀬家の墓がある」との情報をつかみ、12月、寺町の延命寺の一画に間瀬家の墓を確認した。
住職によると遺族は既に他界していたが、間瀬さんに父親と親しくしていた男性がいたと分かり、その孫の山口喜三さんに縁故者として写真の受け取りを依頼したところ、供養になればと快諾された。
3月19日、山下会長と山口さんは延命寺を訪れ、法要後、間瀬家の墓に写真を飾り献花。写真は城栄町の県護国神社で、山口さんに手渡された。連合遺族会女性部員らは「仙太郎くんお帰りなさい」と記した横断幕を掲げて、笑顔で出迎え、山口さんは「間瀬さんは私たちに平和の尊さを教えてくれた。写真を大切にしたい」と話した。