トップ » 日章旗等返還の取組み » 戦没者等の遺留品返還事業 秋田県で軍隊手帳が返還
本会が厚生労働省から委託を受け実施している「戦没者等の遺留品返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に調査依頼があった軍隊手帳について、秋田県遺族連合会、三種町遺族会の捜索により遺族が判明した。
軍隊手帳は、三種町川尻出身の岡部時雄さんが戦地で携行していたもので、岡部さんは昭和20年1月11日、フィリピンのルソン島で戦死している。手帳には時雄さんの入隊後の経歴や行動記録が記されていて、右上に銃弾を受けたと思われる痕があり、軍隊の仲間と一緒に撮った集合写真が挟み込まれていた。
返還式は2月2日に、三種町役場で行われ、県連合遺族会の田口昭益事務局長などが出席。田川政幸町長から手帳が弟の岡部昭治さんへと手渡され、受け取った昭治さんは「お兄さんが帰宅したような思い。多くの方々の協力にお礼を言いたい」と話した。
手帳はオハイオ州在住のジェフ・ブラウンさんが米兵だった父親から譲り受け保管されていた。ブラウンさんは返還に際し、「長い年月が経過してしまい誠に申し訳なく思いますが、ご遺品の返還が皆様にとって心に安らぎをもたらせますよう心よりお祈り申し上げます」とメッセージを寄せた。