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政府基本方針閣議決定 骨太方針に遺骨収集推進を盛り込み

2020年08月24日

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7月17日、令和三年度政府予算編成の指針となる「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)が閣議決定された。平成十三年の方針策定開始以来初めて遺骨収集を推進するとの文言が盛り込まれた。昨夏の遺骨取り違えに端を発した遺骨収集事業の問題に対し、改めて遺族の心情を第一とした遺骨収集の推進を要望し続けた本会の活動が実を結んだ。

7月3日、水落敏栄本会会長は、自民党政務調査会内に設置されている「戦没者遺骨に関する特命委員会(以下、遺骨特命委)」の尾辻秀久委員長(本会名誉顧問)に代わり党政調会長室を訪れ、骨太の方針への戦没者遺骨収集事業の文言追加についての文書を手渡した。

これまで水落会長は、海外に眠られるご遺骨を一日も早く祖国へお連れしてほしいという長年の遺族の思いを形とするため、初代遺骨特命委の委員長として、3年に亘る慎重な審議を取りまとめ、平成28年3月に戦没者の遺骨収集の推進に関する法律の施行に導いた。

しかし、昨夏のロシアの遺骨取り違え報道をきっかけとした遺骨収集事業の問題や、厚生労働省(以下厚労省)の対応に対し、強い危惧を抱いた水落会長は、急きょ正副会長で協議し、遺族の心情を第一とした遺骨収集を求めた本会の声明、遺族の心情を表明した。事態を重く受けた厚労省は、過去の事案を外部有識者も加え、調査、検証し、再発防止策として「遺骨収集事業及び事業実施体制の抜本的見直し」を取りまとめ、遺族の心情に沿った遺骨収集の実施を発表した。

遺骨収集事業の体制が強化される一方で、年明けからの新型コロナウィルスの世界的蔓延により、海外での遺骨収集実施に目途が立たない状況に、強い危機感を募らせた水落会長は、骨太方針へ遺骨収集事業の文言を盛り込むため、水面下で交渉していたが難航していた。そこで、改めて令和6年度までの集中期間に一柱でも多くのご遺骨を祖国に迎えるよう遺骨特命委で要望書を作成し、骨太の方針への文言追加を要請した。

政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す骨太の方針に、遺骨収集が過去に記述された例はなく、困難を極めたが、遺族の高齢化を憂慮した岸田政調会長が、要望が実現するよう尽力され、戦後75年の節目を前に初めて「国内外の戦没者遺骨収集をDNA鑑定を含め適切に推進する」との文言が盛り込まれた。

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