トップ » 日章旗等返還の取組み » 日章旗返還 愛知県、埼玉県、福島県で
本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった日章旗が、愛知県、埼玉県、福島県でそれぞれ遺族に返還された。
愛知県では、米ニューヨーク在住のキャシー・ホフさんが所有していた日章旗が、岐阜県出身で、サイパン島で戦死した水谷桂さんのものと分かり、愛知県遺族連合会の調査で、水谷さんの甥にあたる森泰憲が名古屋市に在住していることが判明した。3月19日、同市内の桜華会館で、柴田義継会長から泰憲さんに日章旗が引き渡された。泰憲さんは、水谷さんが手榴弾で自決したというキャシーさんからの手紙を読んで「叔父さんは、このような最期だったんだ」と感慨深げに話した。
埼玉県では、米テキサス州在住のアンジェラ・ネルソンさんが、元米兵の叔父が戦地から持ち帰ったものを譲り受けた日章旗が、川越市遺族会の調査で、サイパン島で戦死した大沢千寿さんのものであることが判明した。4月9日、川越市役所で返還式が行われ、長男の寿生さんへ、埼玉県遺族連合会の江田肇会長から日章旗が引き渡された。受け取った寿生さんは、「父の形見として大事にしたい」と話した。
福島県では、フィリピン沖海戦で戦死した、いわき市出身の渡辺克巳さんが戦地で所持していた日章旗が、遺族へ返還された。4月11日、同市四倉町の森山忠魂碑前で大浦地区遺族会の渡部公夫会長から、姪の佐藤諭季枝さんに日章旗が手渡された。返還式で、諭季枝さんは「伯父の形見として末永く守っていきたい」とあいさつした。