日本戦没者遺骨収集推進協会(JARRWC)主催による、硫黄島戦没者遺骨収集派遣団(第四回派遣)が1月29日から2月14日の期間で派遣され、本会からは6人が参加協力を行い、硫黄島の壕等で収集作業に従事した。これまでに現地で収集、仮安置されていた遺骨を含め11柱を内地に奉還し、厚生労働省へと遺骨が引き渡された。
硫黄島遺骨収集派遣団(第四回収集)は、第3回収集派遣団からの継続壕である、島北部の北観音と箱庭浜の間にある地下壕と、旧コーストガード北側付近の地下壕について作業を行った。また、島内の外周道路等に点在する部隊陣地跡を示す道標の、島北部地区にある師団総出撃壕歩一四五工兵中隊の道標と、歩一四五衛生隊壕群の道標周辺から為八海岸との間と漂流木地区の地下壕群を集中的に作業し、20メートル強に及ぶ地下壕から、万年筆等の遺留品多数と2柱を収集した。
作業では、狭い地下壕の中をスコップで掘削し、土を手箕に入れ蹲踞の姿勢になりながら、バケツリレー式で壕の外へ、さらにその土をふるいに掛け遺骨の混在を確認、派遣団総出でのまさに厳しい人海戦術の一連の作業が行われた。
さらに、摺鉢山と南観音に近い西海岸付近では、半円柱型の鉄筋コンクリート塊のトーチカから、2柱の遺骨を収集した。
今年度の第一回派遣から、遺骨収集団が収集し安置の遺骨7柱とあわせ、計11柱の遺骨を奉持し航空自衛隊入間基地に帰還した派遣団は、基地隊員に着剣捧げ銃(ささげつつ)の儀礼上最高位の敬礼で出迎えられ、都内の仮安置室に向かった。
14日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で遺骨引き渡し式が行われ、出迎えのご遺族が見守る中、派遣団から厚生労働省職員に遺骨が引き渡された。