本会が厚生労働省の委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業で、戦没者の遺品の返還運動を推進しているOBONソサエティから本会に照会があった遺留品について、愛知県で3件それぞれ遺族に返還された。
ペンシルベニア州在住のグレン・アンダーソンさんが元米兵の祖父から譲り受け保管していた日章旗が、尾張旭市出身で、本邦近海で戦死した水野誠さんのものであることが判明した。12月20日に愛知縣護国神社で柴田愛知県遺族連合会会長から姪の田口美鈴さんに引き渡された。田口さんは「亡くなったお祖母ちゃんが生きていればとても喜んでくれたのでは」と話した。
ニューヨーク州在住のケン・ファレルさんが元米兵の叔父から譲り受けた日章旗が、沖縄本島首里で戦死した瀬戸市出身の滝川十郎さんのものであることが判明した。12月23日に瀬戸市役所市長応接室で伊藤保徳市長から甥の伸康さんに引き渡された。伸康さんは「まさかこんな形で受け取ることができるとは。保存状態もいいので親戚に見せたい」と感慨深げに話した。
ルイジアナ州在住のドナルド・ヘンリーさんが元米兵の義父から譲り受けた日章旗が、西尾市出身で、フィリピンルソン島で戦死した牧藤雄さんのものであることが判明した。一月十六日に西尾市役所で中村健市長から義弟の辰男さんら遺族に引き渡された。辰男さんは「皆が日の丸を持って行ったが、こうした形で帰ってくるのは奇跡で本当にありがたい。」と話した。