トップ » 日章旗等返還の取組み » 戦没者遺留品返還事業 京都府と静岡県で日章旗等を返還
日本遺族会が厚生労働省から委託を受けている戦没者遺留品の返還に伴う調査事業は、本事業の協力団体であるOBONソサエティと再委託契約を締結し推進しているところである。今回OBONソサエティ代表が来日し、本会と今後の事業の進め方等について協議するとともに、京都府と静岡県で行われた返還式に出席し、アメリカから持参した遺留品を遺族に引き渡した。
来日したOBONソサエティ共同代表レックス、敬子・ジーク夫妻は、11月19日、日本遺族会事務局を訪れ、本事業担当者と遺留品の効率的な調査方法、調査を実施するうえで直面する問題点等について話し合った。また翌20日には、水落敏栄本会会長、畔上和男専務理事と懇談し、一つでも多くの遺留品を返還できるよう、引き続き協力体制を強化していくことを確認した。
また、今回の来日で、OBONソサエティ代表は、京都府と静岡県で行われた返還式で引き渡す遺留品を持参した。
京都府では、ともにレイテ島で戦死した四方秀雄さんと小林松五郎さんの遺留品が、京都府遺族会の調査で遺族が判明した。11月24日の綾部市公民館での返還式には、四方秀雄さんの遺留品(アルバム)の保管者であるケニア在住のジャラット・チョプラさんが来日し、弟の四方保さんに直接アルバムを引き渡した。保さんは「兄さんお帰り。長い間ご苦労さまでした」と涙しながら、遺品に語りかけた。11月28日には、京都市市役所で、小林松五郎さんの日章旗が甥の小林雅行さんにOBONソサエティ代表から返還された。雅行さんは「これまで遺品も戻ってこなかったが、ずっと供養は続けてきた万感胸に迫る思いです」と話した。
また、静岡県ではニューギニアで戦死した周智郡森町出身の永澤芳雄さんの日章旗が、森町遺族会の調査で遺族が判明した。十一月二十五日に森町役場で開催された返還式で、甥の永澤秋高さんに日章旗が手渡された。受け取った秋高さんは「貴重な寄せ書きが届けられてうれしい。早速、墓前に報告したい」と語った。