トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 戦没者遺骨収集派遣 3地域を実施
日本戦没者遺骨収集推進協会は、マーシャル諸島、ビスマーク諸島、ミャンマーの遺骨収集派遣団を相次ぎ派遣し、本会からもそれぞれの地域に団員を派遣した。現地での収容作業等を終えて無事帰還した派遣団は、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催された引渡式で関係遺族が見守る中、厚生労働省へ遺骨を引き渡した。
マーシャル諸島
マーシャル諸島戦没者遺骨収集は、2月20日から3月7日の期間で実施され、本会から1人を派遣した。
マーシャル諸島共和国の首都マジュロからチャーター機でウォッゼ環礁ウォッゼ島に到着した派遣団は、現地調査派遣の調査結果に基づき、島内の集団埋葬地と思われる場所を掘削し、第八〇二海軍航空隊本部跡及び第六四警備隊本部跡周辺の2箇所から48柱の遺骨を収容した。
また、派遣団員は収容した遺骨を丁寧に洗骨し、ウォッゼ島の海岸で焼骨式並びに追悼式を行い戦没者の冥福を祈った。
ビスマーク諸島
ビスマーク諸島戦没者遺骨収集派遣団は、2月27日から3月14日の期間で実施され、本会から4人を派遣した。
派遣団は、2つの班に分かれ行動し、1班はブーゲンビル島南部の村落を廻り、現地住民の情報を基に試掘を行うなどして、バナ地区で5柱、ブイン地区で25柱を収容した。
2班は初めにニューブリテン島ラバウルに入り、過去に収容され東ニューブリテン州博物館に保管されていた遺骨を鑑定したが、日本兵の遺骨ではないと判定された。その後、ブカ島に移動し、現地調査派遣で収容し、ソファナ島に安置されていた遺骨を洗骨し鑑定する業務に従事した。
ブカ島で合流した派遣団は、日本兵の遺骨と判定された406柱を、3月10日、ソファナ島で焼骨し、追悼式を挙行した。
ミャンマー
ミャンマー戦没者遺骨収集派遣団は、3月1日から3月14日の期間で実施され、本会から2人を派遣した。
派遣団はシャン州(一班)とマンダレー地区(二班)に分かれ行動した。1班はペコン地区ブラバロオ村で、昨年度から継続して調査を行ってきた洞窟内で収容した遺骨31柱について、日本の鑑定員が作成した詳細な鑑定書に基づいて、日本兵の遺骨29柱、現地人の遺骨2柱を選別した。
2班は、メークテーラ周辺の村で活動し、インパレ村で既に収容し保管されていた遺骨1柱を受領し、現地協力者から寄せられた遺骨情報を基にレインドウ村で試掘を行ったが遺骨の発見にはいたらなかった。
ヤンゴンで合流した派遣団は、3月12日、北オカラッパ日本人墓地内にある政府建立の「ビルマ平和記念碑」前で追悼式を行い、英霊に哀悼の誠を捧げた。