トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 平成30年度慰霊友好親善事業実施状況 ミャンマー、マーシャル・ギルバート諸島、フィリピン、中国
ミャンマー
市來健之助本会副会長(山口県遺族連盟会長)を総括団長とするミャンマー慰霊友好親善訪問団24人は、2月26日東京の九段にある靖国会館で結団式を行い翌日、父終焉の地ミャンマーに歩を印した。1行は2班に分かれ、それぞれの慰霊地へと向かった。
A班は、今回初めての訪問となったラシオで慰霊祭を行い、周辺各地や遥か中国雲南省等に眠る父たちに積年の想いを語りかけた。また、マンダレー街道沿いのペグー(現地名バゴー)の寺院やピュー郊外レッパンコ村のシッタン河畔、トングー郊外の寺院、ヤンゴンで慰霊祭を行い、共に散華された英霊の冥福を祈った。
B班は、治安が回復したアキャブ(現地名シットウェ)を7年ぶりに訪問し、ベンガル湾入江の海岸で遠くにアラカン山系に連なる山々を臨み慰霊祭を行い、亡き父への想いを涙ながらに語りかけた。さらに、マンダレー郊外のミンゲ、サガインヒル、フーコン谷地隣接のモガウン、ミートキーナでそれぞれ慰霊祭を行った。
友好親善としてA班は、本会が平成14年4月に寄贈したペグーのカドウィンチャン小学校を、B班は平成13年4月に寄贈したアキャブのバンドゥタズー小学校を訪問し学用品等を寄贈、生徒や先生と交流を深め記念植樹を行った。また、ラシオとミートキーナの病院でそれぞれ車椅子を寄贈した。
3月4日、ヤンゴンの北オカラッパ「ビルマ平和記念碑」で全戦没者追悼式を挙行し、ご英霊に感謝と哀悼の誠を捧げ、6日帰国の途についた。
マーシャル・ギルバート諸島
安齋満本会評議員を団長とするマーシャル・ギルバート諸島慰霊友好親善訪問団(団員10人)は、3月9日に靖国神社で結団式を行い、翌10日、グアム島へ移動した。
訪問団は11日、グアム島を出発し、アイランドホッピング便でチューク、ポナペ、コスラエを経由し、アメリカの租借地で米軍の基地施設となっているクエゼリン環礁クエゼリン島に到着した。
米軍側の案内で12日はルオット島(ロイ・ナムル島)、13日はクエゼリン島の日本人墓地慰霊碑でそれぞれ慰霊祭を行い、亡き父に語りかけた。また、マーシャル諸島共和国の首都マジュロから飛行機をチャーターし、14日はギルバート諸島(キリバス共和国)タラワ環礁ベシオ島、15日はウォッゼ環礁ウォッゼ島を訪問し慰霊祭を行い、亡き父の足跡を辿った。
15日、マジュロ市内の小学校、医療機関に学用品、車椅子等を寄贈した訪問団は、「東太平洋戦没者の碑」において、在マーシャル日本国大使館齋藤法雄特命全権大使をはじめ多くの現地関係者参列のもと、全戦没者追悼式を挙行し、戦没者の冥福を祈った。
フィリピン
フィリピン慰霊友好親善訪問団(総括団長・関谷忠、日本遺族会理事)は3月13日、34都道府県の戦没者遺児85人(他、付添者6人)が東京・靖国会館に集合し結団式を行い、翌日フィリピンに向け成田空港を出発した。午後、首都のマニラに到着した一行は6班に別れ、それぞれ亡き父の縁の地へ移動し、翌日より慰霊巡拝を行った。一方ルソン島のA・B・D班はマニラ市内のタギック地区にある「無名戦士の墓」に赴き、碑に花輪を手向け敬意を表した。
A班16(付添者等含む)人は、コレヒドール島やマニラ東方のワワ、マニラ市内等の6ヵ所で、B班12人は、マニラ東方のイポやボソボソ、マニラ南方のルセナ等の6ヵ所で、C班十15は、ルソン島北西部のクラークやバギオ周辺等の5ヵ所で、D班12人は、ルソン島北東部のアパリやツゲガラオ、バレテ峠周辺等の8ヵ所で、E班19人は、ネグロス島のバコロドやミンダナオ島のダバオ周辺等の3ヵ所で、F班17人は、セブ島市内やレイテ島のオルモック周辺、カンギポット山周辺、ブラウエン等の6ヵ所でそれぞれ慰霊祭を行い、亡き父に涙しながら積年の思いを果たした。
19日にはカリヤラにある日本政府建立の慰霊碑前にて全班揃って、全戦没者追悼式を挙行、ご英霊に感謝の誠を捧げた。また、各班とも小学校や病院を訪問し、サッカーボールや縄跳び、学用品、衣類、車椅子等を寄贈し、子供達や現地の方々と触れ合うなどして友好親善にも努めた。
中国
日中友好訪問団(総括団長・畔上和男本会専務理事他26人)は、3月22日、東京・千代田会館に集合し結団式を行い、その後靖国神社で旅の安全を祈願し前泊の成田のホテルへと向った。翌日、成田空港から中国上海へと出発した一行は、到着後、3班に分かれ、それぞれ亡き父のゆかりの地、足跡を辿った。
A班団員8名は上海、鄭州、石家荘で、B班団員9名は済南、武漢、長沙で、C班団員9名は広州、桂林、衡陽の滞在ホテルで慰霊祭を執り行い、室内に設けた祭壇に、故郷から持参した水やお供物、家族の写真などを供え、積年の思いを込めて書いた追悼文を通して、手向けの言葉や、母のこと、自分と家族の近況などを亡き父へと伝えた。
28日に、全班が北京で合流し、翌29日には、万里の長城(八達嶺)で、日中友好の植林活動を行ない、コノテカシワの木を一人一本づつ丁寧に植えた。夕刻から在中国日本国大使館代表の来賓を懇談会に招き、日中友好の情報交換に努めた。
北京では大気汚染などの影響も懸念されたが、青く澄み渡った空で、特段問題なく旅を続け、30日全員無事に帰国した。