日本遺族会が厚生労働省から委託を受け実施している海外民間建立慰霊碑移設等事業で、フィリピンのレイテ島へ事務局2人を派遣した。本事業は厚生労働省が、管理状況が不良であると判定した民間団体等が建立した慰霊碑を調査し、移設、埋設等を行うことを目的としている。今回調査対象となった慰霊碑は18基で、内3基を埋設した。
2月5日にマニラを経由してレイテ島タクロバンに到着した派遣団は、2月6日、ドラグ市長を表敬訪問してドラグ市役所が所有している土地に建立された慰霊碑3基について協議した。市役所職員が同行し管理状況を調査した結果、3基の内1基「平和之塔」はドラグ市が管理する平和公園に建立されており、管理状況は良好であった。道路脇に建てられた他2基は管理者もおらず放置状態であるため、市長に埋設の同意書を取り付け、3月に予定している派遣で、平和公園内に埋設することとした。
7日は、リモン峠、アルブエラの慰霊碑を調査し、マリボグ村で朽ち果てた木製十字架碑を埋設し、オルモックへ移動した。
8日、9日は、ビリヤバ周辺の慰霊碑を調査し、タブノック村の民家敷地内で倒壊していた木製十字架碑を埋設し、シラッド村では、2013年に発生した台風ヨランダの被害に遭った慰霊碑を確認し、倒壊していた木製十字架碑を埋設した。
10日はオルモックから移動して、サマール島パラナス地区ブライ村で倒れた慰霊碑を埋設する同意書を地権者に取り付けた。
11日は、トローサ市長に面会し、市役所敷地内に建立されている慰霊碑が図書館の建設予定地であるため、3月の派遣時に市長室中庭に移設するよう依頼した。
すべての調査を終了した派遣団は12日、在フィリピン日本国大使館で岡田岳大書記官を訪問して今回の調査結果を報告し、帰国した。