市來健之助本会副会長(山口県遺族連盟会長)を団長とする台湾・バシー海峡慰霊友好親善訪問団は、一月十八日、全国十一都県の遺児代表十三人が東京・靖国会館に集合し結団式を行い、靖国神社で旅の安全を祈願し昇殿参拝を行った。翌日成田空港から台北へと降り立ち、北東方の宜蘭に向かった。二十日、宜蘭では台北陸軍病院の宜蘭分院跡で慰霊祭を行い亡き父を偲んだ。さらに訪問団は宜蘭から西進して台中へと南下。途中白沙岬の燈台に立ち寄り台湾海峡を望み花束を手向け手を合わせた。
二十一日、台中から海岸線を北上し西海岸から北西方面を望んで慰霊祭、亡き父たちに積年の思いを語り一路懇丁へと南下した。二十二日朝、ホテルの会議室で慰霊祭を行い、祭壇に故郷から持参した品々を供えて亡き父に語りかけ、冥福を祈った。慰霊祭終了後、中型ボートを借り上げ、やや荒波の中をバシー海峡方面へ南下。沖合いの海上で船と運命を共にした父上をはじめ、ご英霊に花やお酒を手向けて懇ろに弔った。
二十三日、猫鼻頭の海峡海域で海没された霊を弔うため建立された潮音寺で、全戦没者追悼式を挙行し戦没された方々の霊魂安かれと祈った。同日訪問団は台北へと戻り、日本と台湾の架け橋となっている日本台湾交流協会台北事務所の方々を招いての懇談会を開催し、意見交換がなされた。
友好親善では帰国日の二十四日に台北市松年福祉会「玉蘭荘」を訪問し、日本台湾交流協会立会いのもと、車椅子を寄贈し民間外交を務め、帰国の途についた。