日本遺族会が平成30年度から厚生労働省から委託を受け実施している「戦没者遺留品の返還に伴う調査」事業として、9月6日から10日の期間で畔上和男専務理事(他事務局一人)はアメリカのオレゴン州を訪問し、本事業の協力団体であるOBONソサエティの活動状況を確認するとともに今後の業務の進め方等について協議した。
9月6日にオレゴン州ポートランドに到着した一行は、OBONソサエティ共同代表レックス、敬子ジーク夫妻に出迎えられ、ポートランド市内の会議室でOBONソサエティを支援している有識者との会合に出席した。畔上専務理事が日本遺族会の活動概要と本会とOBONソサエティとの関わりを述べ、出席者と本事業におけるOBONソサエティの活動の重要性等について意見を交換した。会合後、OBONソサエティを支援するオレゴン歴史博物館、民間団体等を視察した後、OBONソサエティの本部があるアストリアへ移動した。
7日、アストリア市長を表敬訪問した後、コロンビア川海洋博物館の会議室で、OBONソサエティ側の理事、弁護士と面談し、OBONソサエティが活動を継続していくための問題点、本会から事業の一部を業務委託することに伴う契約手続き等を協議した。また、同博物館にあるOBONソサエティが監修した日章旗返還に関する常設展示コーナーを見学した。
翌日8日は、事務所となっているジーク氏の自宅で活動状況の詳細について紹介があり、アストリア市内に借りているアーカイブセンター(記録保管所)では、実際に米国内外から届く日章旗等の遺留品の記録及び情報処理方法等を視察した。
今回の訪問で、本事業にはOBONソサエティの協力が不可欠であり、一つでも多くの遺留品が戦没者の遺族へと返還されるよう今後も関係を強固にし、活動を続けることが確認された。