日本遺族会が厚生労働省から委託を受け実施している海外民間建立慰霊碑移設等事業で、ロシア連邦、カザフスタン共和国へそれぞれ2人を相次いで派遣した。
ロシア連邦へは、8月5日から12日の期間でハバロフスク地方へ派遣し、厚生労働省が指定した不良慰霊碑5基を調査した。ヴィソコゴルニ村に到着した派遣団は最初に村役場を尋ね、タチアナ村長に近年、慰霊団が訪れているか等を確認。その後、村長立会いの下、ソル地区の慰霊碑3基、コスグランボ地区の2基の現況を調査。すべて不良であったが、村長から、それぞれ、1基は残してほしいとの意向が示された。その中で、ソル地区で村長が特に不良と判定した1基を埋設し、コスグランボでは1基を埋設予定であったが、作業中に遺骨が出土し、埋設を断念した。
カザフスタン共和国へは8月21日から27日の期間で派遣し、厚生労働省が不良と判定している慰霊碑四基を調査した。カラカンダ州では州政府の文化遺産保存局の担当者同行のもと、スパークス墓地にある1基については、管理状況は良好であると判定したが、カラバス村の2基は放置状態にあり、埋設等について建立者等との協議が必要であると判断した。また、アルマティ市の1基については、在カザフスタン日本国大使館が現地の管理会社と清掃維持管理契約を結ぶことになっており、管理状況は良好としたが、碑自体が傾いて不安定な状態で倒壊の危険性もあるため今後対応を検討する必要がある。