トップ » Search Results » 愛知県、香川県、鹿児島県で日章旗返還
戦没者の遺品の返還活動を無償で行っているOBONソサエティから本会に照会があった元米兵が戦地から持ち帰った日章旗について、愛知県、香川県、鹿児島県の支部遺族会で調査した結果、それぞれ遺族が判明した。
愛知県では、フィリピンで戦死した稲沢市出身の寺町文治さんの日章旗の遺族が判明し、2月22日、愛知懸護国神社で日章旗帰還奉告祭並びに返還式が執り行われ、寺町さんの長男、竹田文雄さん(故人)の妻久子さんと長女の寺町清子さんが出席し、多くの遺族会関係者が見守る中、無事日章旗が引き渡された。清子さんは「母から、父の戦死の知らせは通知だけだったと聞いた。たった一つの形見ができて本当にうれしい」と語った。
香川県では、鹿児島県徳之島沖で戦死した丸亀市出身の亀井忠一さんの遺族が判明し、3月6日、同市保健福祉センターで返還式があり、亀井さんの姪の西川佳子さんに日章旗が返還された。旗を受け取った桂子さんは、「奇跡のような出来事」と感激し、「祖父母らもまつる仏前に『帰ってきたよ』と報告し、大切に保管したい」と語った。
鹿児島県では、インドネシアのアクデ島で戦死した西之表市出身の阿世知宏さんの日章旗が遺族に返還された。3月11日、鹿児島縣護国神社に阿世知さんの長男・慧さん、旗に寄せ書きをした宏さんの妹、岡野タイ子さん、阿世知美子さんら遺族が集まり、尾辻秀久鹿児島県遺族連合会会長(本会名誉顧問)、遺族会の役員参列のもと正式参拝し、日章旗の帰還が報告された。その後、青年部幹事会の中で返還式が行われ、尾辻会長から慧さんへと日章旗が引き渡された。旗には妻のタケさんが「慧はりっぱに育っています」と寄せ書きされており、慧さんは「多くの人がつないでくれ、当時の母の気持ちを感じられた。感無量です」と涙ぐんだ。