2月18日、日本遺族会に青年部が発足して始めて、全国各地から戦没者の妻二人を含む女性部72人と、戦没者の孫、ひ孫、甥、姪ら72人の青年部、オブザーバーなどを含め155人が東京文京区の東京ガーデンパレスに相集い、日本遺族会女性部・青年部合同研修会及び青年部総会を開催した。
会議は午前10時30分、北浦基広青年部共同代表が進行し、百田節子女性部副部長の開会の辞で始まった。最初に水落敏栄会長に代わり宇田川剱雄副会長が「今日の会議は、今後の遺族会を左右する重要な会議になる。問題は一つひとつ丁寧に解決して行ってもらいたい」と挨拶した。次に三浦妙子女性部長が「青年部にバトンタッチ」と題して講演。次いで市來健之助副会長が「語り部の継承について」と題して講演した。
午後は女性部と青年部に分かれ、女性部は「青年部へのフォロー等」と題して、青年部組織作りの問題点や青年部の位置付け等について活発な討議がなされた。特に、県によって、青年部の取り組みに対して温度差が際立った事から、「都道府県遺族会が取組む行事などに親と一緒に参加、または、行事の手伝いなどをすることによって、自然体で遺族会活動に溶け込んで欲しい」との意見が多数聞かれた。青年部は設立されてから初めての総会を開き、名称を正式に「日本遺族会青年部」と命名した。また、規約についても、審議され若干の修正を加え承認。今後の青年部事業の柱等についても検討され、①慰霊碑等の清掃②各追悼式への参加③慰霊巡拝への参加④遺骨収集への参加⑤OBONソサエティと連携し、戦争遺品の販売禁止と遺品の返還を求める⑥SNSを活用しての世論喚起⑦語り部の継承の七項目を中心に活動する事が確認された。青年部役員人事では、役員候補に立候補された方々が選任された。(新役員氏名は、別掲載)
午後3時から全体会議が開かれ、会議に先立ち水落会長が挨拶にたち「現在、27都道県に青年部が結成されている。残された府県ではそれぞれ温度差はあるが、困難を乗り越えて、是非、青年部を結成していただきたい。また、遺族会の根幹である英霊の顕彰と遺族の福祉向上という2本の柱をもとに本会は活動している、今後は、我々遺児世代と、青年部の皆さんが両輪となって、尊い活動を進めて行かなければならないので協力願いたい。さらに、未だ海外に眠る113万柱の戦没者のご遺骨の収集を青年部が主体となって取組んでいただきたい」と述べた。その後、青年部、女性部から研修内容の報告や、総会内容が報告された。
選任された日本遺族会青年部役員は以下のとおり
日本遺族会青年部役員
部 長 辻 正人(滋賀県)
副部長 西山 尚利(福島県)
同 古賀 千幸(佐賀県)
幹 事 山内 俊雄(岩手県)
同 坂爪 美奈(東京都)
同 北浦 基広(兵庫県)
同 岩村 誠(山口県)
同 永山 勇人(鹿児島県)