トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 事業の取組み » 海外未送還遺骨情報収集事業 ニューアイルランド州で調査
日本遺族会は、厚生労働省の委託事業である海外未送還遺骨情報収集事業のビスマーク・ソロモン諸島地域で、平成28年度第4次調査団2人をパプアニューギニアのニューアイルランド州へ派遣し、2月4日から18日の期間、残存遺骨に関する調査を実施した。
首都ポートモレスビーを経由してニューアイルランド州カビエンに到着した調査団は、昨年9月に調査したパナカイス村を再度訪問し、前回収容して村の公民館に安置した遺骨の保管状況を確認するとともに、現地住民の協力を得て、埋葬場所(浸食され海水に浸かっている)からさらに遺骨を収容したが、同行した国立博物館員は、サンゴが付着してサンゴへと変質している可能性がある遺骨が多く含まれており、最終的に遺骨として判定するには科学的な検証を必要とするとした。
カビエンからリヒル島へと移動した調査団は、ボートで約3時間かけてボアン島へ向かい、日本大使館へ寄せられた遺骨情報について調査した。日本軍が駐留していたタオンシップ村では、村に代々伝わる話に基づき、日本兵が埋葬されている共同墓地を試掘し、1柱を収容した。また、スンキン村では、豪州軍に射殺された三人の日本兵を埋葬した墓地が津波で流され、残った数本の遺骨を集めて埋め直した場所に建てられた慰霊碑を視察し、保管されていた遺骨を受領した。
マサヘット島で六柱受領
最後に訪れたマサヘット島マタトクエン村には、在パプアニューギニア日本国大使館から嶋野進一等書記官が同行し、調査に立ち会った。平成26年3月の調査で、島に墜落した軍用機から収容した日本兵6人の遺体を村の墓地に埋葬したという情報を確認したが、村の風習に則った儀式を必ず開いたうえで遺骨を引き渡すという条件が提示され、村側と協議し調整を進めていた。今回村側の了解が得られ、遺骨を収容し、豚を六頭捧げる儀式を執り行い、村の主催で遺骨引渡しのセレモニーが催され、無事遺骨6柱を受領した。
収容した遺骨を洗い柱数を確認する=2月15日、マサヘット島で