トップ » 遺骨帰還事業の取組み » 活動状況 » 平成28年度遺骨収集派遣 硫黄島、ソロモン諸島、パラオ諸島を実施
日本戦没者遺骨収集推進協会は、硫黄島、ソロモン諸島、パラオ諸島へ相次いで遺骨収集派遣を実施した。
硫黄島
硫黄島遺骨収集第三回収容派遣は、11月21日から12月7日まで実施され、本会からは7人が派遣した。
神山海岸付近での遺骨収容作業=11月29日、硫黄島で
当初、派遣団は滑走路下の未探索壕での収容作業を予定していたが、地熱による壕内の温度が上昇しているため危険であると判断し、硫黄島東海岸部の壕を中心に作業を実施した結果、北観音近くの海岸部で一柱、神山海岸付近で三柱を収容した。今回収容した遺骨は、二月に予定している第四回収容派遣によって奉還される。
ソロモン諸島
ソロモン諸島戦没者遺骨収集派遣は、11月27日から12月5日の期間で実施され、本会から二人を派遣した。
収容した遺骨を荼毘に付す派遣団=12月1日、ガダルカナル島で
派遣団はガダルカナル島の丸山道等で遺骨を捜索し、現地協力者がすでに発見していた遺骨を含めて26柱を収容した。
その後、団員の手で丁寧に洗骨された遺骨は、12月1日に焼骨され、同日、在ソロモン日本国大使参列の下、追悼式が執り行われた。
12月3日には、派遣団からホニアラ港に寄港した海上自衛隊護衛艦「たかなみ」へ、9月に厚生労働省による遺骨収集団が焼骨し仮安置していた遺骨124柱とあわせて150柱が引き渡された。
パラオ諸島
パラオ諸島戦没者遺骨収集派遣は、11月28日から12月9日の期間で実施され、本会から一人を派遣した。
派遣団は、海外未送還遺骨情報収集事業の調査によって、これまでに判明している遺骨発見箇所で、収容作業を行い、ペリリュー島で14柱、アンガウル島で1柱の遺骨を収容した。
収容した遺骨は、日本から同行した慰霊事業人類学専門官の鑑定により日本兵と判定され、ペリリュー島「みたまの塔」で焼骨式、追悼式が執り行われた。
12月9日、派遣団により奉持され帰還した遺骨は、千鳥ヶ淵戦没者墓苑での遺骨引渡式で、遺族らが見守る中、厚生労働省へと引き渡された。