平成29年度政府予算案は、12月22日午前の閣議で決定した。本会関係では、戦没者遺族の処遇改善に関する要望事項は、公務扶助料、遺族年金等の据え置きをはじめ、遺骨収集事業関係費の拡充強化、戦没者遺児による慰霊友好親善事業の実施等その他の処遇改善項目に係る予算も、概ね概算要求通りに計上された。
平成29年度政府予算における戦没者遺族処遇改善項目は以下のとおり。
一.遺族年金等(別表)
二.遺骨収集事業の強化 23億1千600万円
(1)硫黄島遺骨収集事業
13億9千600万円
(2)南方・旧ソ連地域遺骨収集事業
9億2千万円(情報収集、遺骨収集、法人運営費を含む)
【遺骨収集実施地域・19地域】フィリピン、東部ニューギニア、ビスマーク・ソロモン諸島、インドネシア、パラオ、マリアナ諸島、トラック諸島、マーシャル諸島、ギルバート諸島、ミャンマー、インド、樺太、沖縄、硫黄島、ハバロフスク地方 、沿海地方、クラスノヤルスク地方、アムール州、カザフスタン共和国
三.戦没者慰霊事業等 7億200万円
(1)全国戦没者追悼式経費 1億5千100万円(1県あたり国費参列者55人の2千585人、うち、少なくとも一人は18歳未満の遺族)
(2)慰霊巡拝等 5億5,100万円
①慰霊巡拝 8千700万円
【実施地域・11地域】フィリピン、東部ニューギニア、インドネシア、トラック諸島、マーシャル・ギルバート諸島、中国、硫黄島、ハバロフスク地方、沿海地方、クラスノヤルスク地方、イルクーツク州
②慰霊友好親善事業 2億5千900万円【広域地域・14地域792人】【特定地域・3地域108人】
③政府建立慰霊碑の補修等 5千200万円)補修調査・ボルネオ、補修工事・ラバウル)
④民間慰霊碑の管理 2千600万円
(海外民間建立慰霊碑900万円、国内民間建立慰霊碑一千600万円)
⑤遺骨・遺留品伝達 2千100万円
⑥戦没者に係るDNA鑑定 1億700万円
四.昭和館事業 7億4,300万円
(1)昭和館の運営に係る経費 4億5千400万円
(2)昭和館の防災機能強化に係る経費 2億8千900万円
五.遺族相談員の謝金 一人年額・2万6千円