厚生労働省主催の遺骨収集帰還事業が相次いで実施された。
硫黄島
「硫黄島第四回開削調査立会」が九月十九日から二十六日まで実施され、本会から一人を派遣し、遺骨が残存する可能性の高い壕やトーチカなど、各団体から選出された代表者が立ち会い硫黄島内約三十カ所で調査が行われた。
また、「硫黄島第三回特別派遣」が十月二十二日から三十日まで実施され、本会から六人を派遣し、開削調査で確認された壕で作業が行われ、期間中に十八柱が収容された。作業を行った壕は、今後の派遣団が継続して作業を行うことを予定している。
ロシア連邦
「ソ連抑留中死亡者遺骨収集帰還事業」のケメロボ州応急派遣・埋葬地調査が九月三十日から十月十日まで実施され、本会から二人を派遣し、ケメロボ州の現地行政機関関係者から受領した州の公文書館資料に基づき、過去に日本人抑留中死亡者の埋葬地があったとされるヤヤ村住人の住宅敷地内において、厚生労働省職員による事前調査で確認された二柱を収容した。しかし、住人から敷地内での試掘が許可されず、埋葬地の範囲と思われる住民宅に隣接する公道を重機で発掘したが新たな遺骨は発見されなかった。
派遣団は収骨した二柱を本邦へと奉還し、十月十一日に厚生労働省で拝礼式が執り行われ、本会から参列した代表者が帰還した遺骨に拝礼、献花を捧げた。