日本遺族会は、厚生労働省から委託を受けて実施している民間建立慰霊碑等整理事業を九月二十四日から十月三日までの十日間にわたり、ロシア連邦のハバロフスク地方と、同事業で初めてサハリン州で調査を実施した。
倒壊し放置されていた角塔婆を埋設=9月26日、ハバロフスク日本人墓地で
派遣団は、現地の行政機関や関係者等から今年度国から調査対象に指定された慰霊碑二十基に関する情報を聴取するとともに、慰霊碑の場所を確認し、管理状況等を調査した。
現地調査の結果、維持管理体制が不十分であり、建立者並びに管理者の特定が困難な慰霊碑十四基を「不良」、建立地に存在しなかった三基を「不明」、所有権がロシア側に譲渡された慰霊碑三基を「その他(対象外)」と判定した。
また「不良」と判定した十四基の慰霊碑のうち、建立者が不明で碑文が消え朽ちて倒壊し放置されたままの慰霊碑一基(角塔婆四柱)を丁重に埋設した。なお、「不明」と判定した慰霊碑三基はロシア側により撤去されたことが判明した。