日本遺族会は、東部ニューギニア第一次派遣団を八月十八日から九月一日までの期間、パプアニューギニアのモロベ州へ、第二次派遣団を九月一日から十八日までの期間、東セピック州及びサンダウン州(西セピック)へ派遣した。
各派遣団は、訪問した村落の住民に事業PR用のポスター、パンフレットを配布して事業説明を行い、日本兵遺骨にかかる情報の聞取りを行った。
第一次派遣団は、モロベ州のカブン、ワス、ワウを中心に調査を行い、標高約千四百から二千二百メートルある山岳地域のカブンでは、今回初めてコンゲ、イロコ等の村落を訪問。また、カブンから徒歩約八時間のソンボレからの情報提供に基づき二柱を確認した。
カブンから北の海外沿いにあるワス地区では、コワリンで現地住民の証言より日本兵が駐留していた洞窟から多くの遺骨を確認した他、ワスとカブンの中間にあるタガンドを初めて訪問。同村で、これまで接触できなかったベロンビビ村住民と接触し、今後の協力を依頼した。
ラエ南西山岳のワウでは、標高約千六百メートルの山中でビトイ村住人と接触し、日本軍の病院壕より発見された遺骨を確認した。
今回確認した遺骨のうち、同行した国立博物館員の鑑定を受け、地権者、発見者等現地住民から受領の許可が得られた遺骨は推定八十九柱で、ラエの一時保管場所に安置している。
第二次派遣団は、東セピック州のマプリック、アンゴラム及びサンダウン州ソワムを中心に調査を行い、サンダウン州のマルジップ、マタパウをはじめ、セピック川下流域のワンガン、ウエワク周辺のポロンベ、フォロク、マゴンにおいて多数の遺骨を確認した。
第一次派遣団と同様、確認した遺骨のうち、同行した国立博物館員の鑑定を受け、現地住民から受領の許可が得られた遺骨は、推定二十三柱でウエワクの一時保管場所に安置している。
派遣団が現在ラエ及びウエワクに安置している遺骨は、今年度派遣される政府遺骨帰還団の確認を経て日本へと奉還される。